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魂宮時

舞樂 3

「海外生活」

他国の文化-ダンスを学んできたことで海外に目を向けることもできました。
18歳の春、憧れのNew Yorkへ衝動を止められず行こうと決心し、急いでエアーチケットを買いにいきました。
僕は「一番早い日のチケットお願いします」と言って、2日後出発のチケットを手に入れ旅立ちました。
何も考えず出て行った僕は、ケネディー空港に着陸と同時にガイドブックも地図も何ない!勿論ホテルもとっていない状態で着いてしまったことに焦り、でも数分後にはなんとかなるかと気楽に考え、初めてのNew Yorkに胸を躍らせていました。
そんな若さだけの勢いで始まった初めての海外、3ヶ月間のNew Yorkでの生活は毎日が刺激的であっという間に過ぎていき、必ずここに住むぞ!と決心した旅の約束は数年後に果され憧れの街New Yorkでの生活を数年の間経験することが出来ました。
沢山の人種が集まる街、ショウビジネス文化の栄えたNew Yorkでの生活は多くの学びや気づきがありました。
単純なことですが、自分には日本人の血が流れているということを強く意識できたことは大変な気づきで、その後の自分に大きく繫栄しています。
何気なく日本人なのではなく母国を離れて他国の文化の中で生活すると、紛れもなく日本人である自分が浮き彫りになるからです。
そのことを認識した上で、人種を超えて人として成長することがテーマとなりました。
自分から働きかけないと誰も何もしてくれない環境に身をおけたことで、本当に多くの人に助けられていることに気がつきました。
人の些細な優しさがとても深く感じられ、人とのつながりがこんなにも自分の存在を勇気づけてくれると思えた経験は、日本にいては味合えなかったことかも知れません。
また何かあっても「なんとかなる」と自分に言える根拠のない自信、度胸みたいなものもついたように思います。
楽観的に考えていけることで物事は本当にうまく流れました。
僕が最初に半年ほど借りていたアパートでは、部屋のオーナーがビルのオーナーとトラブルがあり部屋の権利を失ったため、僕が部屋のオーナーと交わした契約は無効となり退去を命じられました。
海外で一人暮らしを始めてやっと落ち着きだした頃に、こんな出来事は「えっ~うそだろ~なんてことしてんだよ!」っとオーナーに怒鳴りたくなるようなことでが、しかし僕にとっては何かに守られているかのようなそんな力を感じられるような出来事でもありました。
僕は渡米する際、日本でのスポンサーに恵まれたため、そこからの収入があったのですが色々ありましてその収入が断ち切られることになったのです。
その収入がなくなることで今月の家賃すら払えなくなることは決定的でした。
収入を失い、どうしようかと考えてる矢先のこの出来事は、次の部屋が決まるまでの半月間は家賃は無料、契約金なども全額返済といった好条件で次の部屋へと引っ越すことができました。
家賃も安くなったため口座には残高も残り、しばらくは生活が保障され安心もでき、めでたしめでたしという逆に良い結果になりました。
”災い転じて福と成す”です。
これは神の計らいでしょうか?
それからの生活は落ち着き、自分の創作に打ち込むことが出来ましたし、自分を見直す貴重な時間になりました。
オーディションに行ったり、すし屋で働いたり、Showに出演したりと思い出は沢山ありますが、
今日の自分があるのは、僕は何者ですと自己紹介するときの「何者」がさす職業的な自立ではなく、「僕は」がさす個人の自立が出来たことで、自力でそこで生活をしたというあたりまえの事実ではないでしょうか?
そのうえで夢を追いかける諦めない!やり続けることの難しさを乗り越えることは僕にとって凄く重要なことで、それは好きだから踊るといったものだけではなく、生きていくために踊るといったものに変わっていきました。
それは今後も、作品に命の重みとなって表れていくことを願います。         

by newflavor | 2010-09-04 11:27
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