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魂宮時

舞樂 5

「姿勢」

っとまぁ前文にあるように、怪我が幸いして身体と向き合うようになり、身体と遊んでいたらそんなこともわかり始めました。
「姿勢」なんていうのも姿に勢いと書き表しますが、文字どうり勢いのある姿(エネルギーのめぐりよいパワフルな状態)もしくは姿に勢いを秘めた状態とも意味づけられそうです。
氣のめぐりがよくなるよう姿勢を正しましょう。
姿勢は身体の働きを支える大きな役割を果しています。
建築に例えると柱や梁にあたりるのが骨で、さしずめ壁材が筋肉で内臓が部屋に並ぶ家具のようなものかな?
よって柱が傾くと壁にひびが入ったり、ドアが開かなくなったり、水が漏れたりと様々な症状が生じてきます。
度が過ぎると「症」は「疾」となりさらには「病」となります。
より良く生きるための働きの一つに姿勢は大切な役割なのです。
姿勢は死生とも書けますね。
姿勢というと整ってるのが○で歪んでるのが×と考えがちですが「整」も「歪」も状況に応じて必要な働きですから、どちらかが正しくてどちらかが正しくないなんてことはなく、どちらかに偏ることこそが正しくないことではないでしょうか?
適材適所、必要に応じてうつろぎ動く姿こそ自然ではないでしょうか?
白黒はっきり決着つけたがるのは現代社会における思考の癖です。
自然界においては曖昧だらけで、こちらかそちらかっといった分けた考え方では上手く生きてはいけないでしょう。
光があるから影がある、右があるから左があるといったように相生し、相対する働きとそれをつなぐ働きの3つでなりたっています。
<例:整正歪、明中暗、陰平陽、○△×、伸保縮などの考え方>
姿勢だけに限らず心も「整」「歪」とどちらにも正しいという漢字が含まれているように、偏らず柔軟でいたいものです。
柔らかく優れていて断ち切らないまさに「優柔不断」「いい加減」「適当」なんです。
以上の言葉は、社会的には良くない意味に捉えられますが、現代社会の思考の癖を外し自然界ではとても素晴らしい優れた状態を表します。
姿勢の乱れは心の乱れと言葉が残るぐらいですから、昔の人は厳しく躾られたのでしょうね。
美しい身体と書いて「躾」です。
躾は本来、各家庭で教わるもので、現代でいうマナー=礼儀作法のことでありますが、日本には礼に始まり礼に終わるといった言葉があるように礼法、歩法、座法などといった動作法があります。
その作法は文化や生活に合わせたものだったため戦後、西洋化によって日本文化が希薄になり日本人の身体からは、すでに忘れ去られてしまっているのが現状ではないでしょうか。
日本人の健康の支えになっていたのは優秀な食文化だけではなく、礼儀作法もその一つの要だったといえるでしょう。
人体の成せる動きの構造をよく観察していると「曲がる反る、伸びる縮まる、捻る」の3つの動きしかありませんが、それをいくとおりにも重ね合わせることで様々な動きや姿勢を人々はおこなっています。
日本の作法も当然この3つの動きから構成されており、作法を正しく身につけて行うことにより人体の働きを正しく活かしていたのでしょう。
その働きとは何か?それは身体を昔は「體」と表したところにヒントがありがます。  

by newflavor | 2010-09-04 12:04
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